内受容感覚 (Interoception/Interoceptive awareness)は、内臓感覚などを含む自己の身体内部の生理的コンディションについての感覚システムです。恒常性(ホメオスタシス)の維持に必須の機能とされ、人が健康を保つ上で基本的に重要な生理システムです。
内受容感覚 については、「内受容感覚と心身医学」を参照ください。
心療内科・心身医学における意義
心療内科 ・ 心身医学 における主な意義として下記が挙げられます。
- 心身相関のルートとして、遠心性の自律神経や内分泌機能とともに求心性の内受容感覚が関与しており、内受容感覚システムは心身相関の機序における重要性がある。
- 心身症に特徴的なアレキシサイミアやアレキシソミアといった、「心身の気づき」の生理基盤となるシステムでもある。この気づきは日常生活での自己対処に関連し、症状のセルフコントロールにおいて重要である。
- 疼痛閾値など症状の閾値、身体感覚増幅などの身体症状の感受性に関与する。
内受容感覚の脳科学的機序が徐々に明らかになり、・内受容感覚と心理・情動機能の関係、・自律神経系などの生理機能との関係、・精神機能や意思決定との関係などについての報告がなされてきました。また、マインドフルネスや瞑想との関連など、各種心身医学的介入との関連も研究が進んでいます。
いくつかの心身医学的課題について、このような内受容感覚の観点から検討を進めています。
関連プロジェクト
– アレキシソミア<こころとからだの気づき>研究会
http://body-thinking.com/alexisomia/
文献
Kanbara, K., Fukunaga, M. Links among emotional awareness, somatic awareness and autonomic homeostatic processing. BioPsychoSocial Med 10, 16 (2016). https://doi.org/10.1186/s13030-016-0059-3