9:10 受付開始
午前の部
9:30 開会の辞
9:35~10:55 一般演題【口頭発表】
一般演題 I 座長:岡本 百合(広島広島大学保管管理センター)
一般演題 II 座長:兼田 康宏(医療法人翠松会 岩城クリニック)
11:00-11:50 基調講演
プライマリケアにおける生物心理社会モデルの活用と多職種連携の展開
地域で「治し、支える医療」を実践するうえで、家庭医療と心身医療の協働は不可欠です。
松下先生は、米国で家庭医療を学ばれ、岡山県北・奈義町で25年以上にわたり地域診療と専攻医教育を行い、住民に寄り添う家庭医療を展開してこられました。近年は、若年層のメンタルヘルス問題の増加を背景に、家庭医と心療内科医、臨床心理士、精神保健福祉士らがチームを組み、地域の一次予防から外来・訪問診療まで連携したメンタルヘルスケアを実践しておられます。
生物心理社会モデルを共有する多職種が協働することで、地域全体を支える医療が可能になる
―本講演では、岡山での実践を通して得られた経験と課題を紹介して頂き、プライマリ・ケアにおける「支える医療」の未来を展望します。
松下 明
(社会医療法人清風会 岡山家庭医療センター/奈義・津山・湯郷ファミリークリニック・所長)
座長:神原憲治(香川大学大学院医学系研究科)
午後の部
(13:00-13:20 日本心身医学会 中国・四国支部 総会)
13:20~14:50 シンポジウム I
プライマリケアと”支える医療” における生物心理社会モデルと多職種連携
「治し、支える医療」の実現には、心身医学・心身医療における生物・心理・社会モデルの視点が欠かせません。この第一線を担うのが、地域医療・プライマリケアであり、心身医療とは密接不離な関係にあります。高齢者医療においては特に「支える視点」が重要であり、さらに近年の国際情勢を踏まえると、国際援助の分野においても同様の視点が求められています。加えて、「支える医療」の実践には、多職種連携や家族システムの理解と活用が不可欠です。
そこで、本シンポジウムでは、まずプライマリケアと心療内科の融合的実践について豊田先生に、高齢者医療におけるフレイルや睡眠障害への取り組みについて藤井先生にご講演いただきます。さらに、心理的支援および家族システムの活用について野口先生にご講演いただき、最後に国際支援という重要な領域でご活躍の宮川先生にご講演いただきます。
中国・四国地方においてこの領域でご活躍の先生方のご講演を通して、「支える医療」における現状、課題、そして今後の展望について議論を深めます。
座長:松下 明(社会医療法人清風会 岡山家庭医療センター/奈義・津山・湯郷ファミリークリニック)
岡田 あゆみ (岡山大学大学院医歯薬学総合研究科)
シンポジスト
- 「地域における二階建構造の心身医療「一階のプライマリ・ケアと二階の心療内科」」
豊田 英嗣 (社会医療法人清風會 日本原病院心療内科) - 「高齢者の睡眠障害と心身症:生物心理社会モデルと多職種連携による全人的アプローチ」
藤井 昌学 (岡山大学高齢者総合医療講座) - 「プライマリケアにおける家族療法・ブリーフセラピーの活用可能性について」
野口 修司 (香川大学大学院医学系研究科/医学部臨床心理学科) - 「心療内科・精神科領域からの国際協力:戦時復興支援活動をするNGOでの連携」
宮川 眞一 (医療法人鶯友会 牧病院精神科)
14:55~15:45 ワークショップ
日常診療に活かす認知行動療法のTips
認知行動療法(CBT)は、うつや不安、不眠、慢性疼痛など、心身両面に関わる問題への有効性が検証され、標準的な心理的介入法として位置づけられています。一方で、日常診療ではCBTの実践が十分に広がらず、誤った形で用いられることも指摘されています。
本ワークショップでは、理論解説を最小限にとどめ、すぐに臨床で活かせる「CBTのコツ(Tips)」を、具体的事例を通して紹介して頂きます。患者さんへの声かけや質問法を体験的に学び、薬物療法に心理的支援を組み合わせた包括的ケアの実践につなげます。
演者: 古川 洋和 (鳴門教育大学大学院学校教育研究科)
司会: 川人 潤子 (香川大学大学院医学系研究科/医学部臨床心理学科)
15:50~17:10 シンポジウム II
心身医療・心理臨床のタテ軸とヨコ軸―身体性と対人コミュニケーション―
心身医療・心理臨床は患者/クライエントと治療者の対話、すなわち対人コミュニケーションの場です。と同時に、それまで気づかれていなかった感情、記憶、感覚、身体に目を向けるプロセスが展開され、そのこと自体がセルフモニタリングや自己理解の効果をもつ場合もあります。
本シンポジウムでは、本年度の日本心身医学会(弘前)での企画に続き「心理〜感情 / 情動〜生理 / 身体」というタテ軸と、「患者/クライエントと治療者の対人コミュニケーション」というヨコ軸の接点や関係性を考えます。この2軸を設定すると、臨床や研究はどのようにわかりやすくなるのだろうか? という問いのもとに、実践的な取り組みを進めるシンポジストからの話題提供を受け、幅広くディスカッションを行います。
座長:阿部 哲也(日本赤十字社和歌山医療センター 心療内科・緩和ケア内科)
神原 憲治 (香川大学大学院医学系研究科 心身医学講座)
シンポジスト
- 「問診場面での「共感」は、診療のタテ軸のために何をしているのか」
阿部 哲也(日本赤十字社和歌山医療センター) - 「身体生理機能検査を介したコミュニケーションと心理療法」
坂崎 友哉(関西医科大学心療内科学講座) - 「心身の触媒としてのイメージ(Imagery Connecting the Mental and the Body)」
坂中 尚哉(香川大学大学院医学系研究科/医学部臨床心理学科) - 「心理面接でのプロセス分析と心拍変動」
橋本 忠行(香川大学大学院医学系研究科/医学部臨床心理学科)
17:10 閉会ご挨拶
※プログラム及び時間は変更の可能性もあります。